「昔住んだ家について書きます」
4年生まで、祖父の家の庭に家を建てて住んでいた。父はサラリーマンだったが会社を辞めたので実家に帰ることに。事業が軌道にのるまで実家の近くに住むことになったのだ。始めた事業はすぐに仕事がなかったので、父は夕方以降塾の先生をしていた。塾といっても勤めていたわけではない。個人の塾だ。当時はまだ大手の進学塾ばかりではなかったので、個人の塾も結構はやっていた。しかし塾を別に建てることもできず家の2階が塾になっていた。塾が終わると掃除機をかけ、布団を敷いて寝るといった具合。だから居住スペースは1階のみだった。
庭に建てた家なので敷地は狭い。普通なら2階に置けるタンスなども1階に置かなければならない。
狭い敷地に台所、食卓テーブル、タンス、コタツ、ピアノ・・・。ぎゅうぎゅう詰めだ。当然玄関をとる余裕などない。玄関は引き戸で、ドアをあけるとそこは・・・いきなり居間だったのだ!「玄関開けたら2分でご飯♪」というコマーシャルがあったが、うちは「玄関開けたらすぐにコタツ♪」状態。プライバシーも何もない部屋。小さい妹はいつも座布団の上に寝かされていた。
そんな家に5年ほど住んだであろうか。あまり覚えていないが、高学年になった頃から自分の部屋が欲しいと言っていたらしい。
4年生の終わりに祖父の家から少し離れたところに家を建てた。広くて2階建てで自分の部屋もある。新しい家はまるでお城のようだった。あの時の感動は今でも覚えている。